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旧い映画を楽しむ。なでしこの棲家

旧い映画を楽しむ。なでしこの棲家

≪三十九夜≫≪バルカン超特急≫


1.≪三十九夜≫
2.≪バルカン超特急≫


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1.≪三十九夜≫


ヒッチコックの作品をリアルタイムで見れたものは別として、
戦前の作品や、リアルタイムに見れなかった作品群の中で、
最初に見た戦前の作品....
≪三十九夜≫

もちろん、テレビ放送である。
何て面白い構成なんだろうというのが印象だった。

それから、ン十年になるが、
今見なおしても素晴らしい!
これはヒッチコックがハリウッドではなく、
英国で英国の俳優、ロバート.ドウナットを起用して
作った傑作である。

スリラーとして米映画を抜いていると当時のキネマ旬報だかで
評されたそうだ。

イギリスの場末のミュージック.ホールから始まる。
そこに入った主人公ハネーは、舞台上で、記憶の天才と
称する人物があらゆる質問に答えているのを見た.
途端に一発の銃声が...
動揺した観客は入り口へ殺到する。

その時、ハネーはひとりの女性から助けを請われる。
女性を連れてアパートへ帰るが、女は自分は国際スパイだという。

そして小指のない男が首謀者だといった途端、女の背中にナイフが
突き刺さった。

これから、ハネ‐の逃亡と探索が始まる。
このスタートは、一連の作品の出だしと同様、
いつものように結末へのヒントがいっぱい詰まっている
パターンであるが、
この逃亡のスピード感と、息もつかせぬ展開は
後のアメリカでの作品”北北西に進路を取れ”の原型と
なっていることは明らかである。
北北西...は
リメークの成功作品であろう。

が、原型のこの”三十九夜”がなんとも面白いのだ。

リメークでありながらもう全然別個の作品として
両者甲乙つけがたい。
珍しいケースである。
何故か。
つまり全く同じではなく、ヒッチコックは恒に新しい
”手”だのトリックだのが駆使されるからであろう。

じゃー三十九夜は古いかといえばそうではなく
1935年度の作品でありながら
ぐいぐいと引き込まれてしまうのだ。
”39階段”の意味を追って、
最後はミュージックホールに戻り...。
殺された女がこの天才に機密を覚えさせておいたことに
気づくハネー。
記憶の天才に”39階段とはなんだ?”と聞くと、また銃声が....。
面白い構成でしたね。
その後この追っかけや面白い作品は出来ているがその原点として
その後に使われるものが詰まっている作品として
比べて鑑賞すると非常に面白いのである。
ヒッチコック研究者としましては是非、お薦めの作品です。

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2.≪バルカン超特急≫  ≪バルカン超特急≫


ヒッチコック作品には、たくさんのフアンが
いらっしゃいますが、
全作品は見てないと、以前 書き込みを頂きました。

彼の作品でわたしガ最も愛する作品、
≪バルカン超特急≫と≪第三逃亡者≫を、二晩に渡って
紹介しようと思いまする。

1938年度英国で作られ、日本での封切は1976年度・
この作品も公開を待ちわびましたねえ。
出演  マーガレット.ロックウッド/
    デイム.メイ.ウイッテイ(この老婦人が大好き)
何度、観た事でしょう!

もうこの作品はわたしは暗記しているから
今度は車窓の景色が本物かどうかとか、
ヒロインのバッグがエルメスに見えるが本当かなどを
確認することにしようと
そのたびに思うのだが、
観はじめるとその展開に引きずり込まれて
結局いつもと同じにどっぷりそのストーリー展開に
引き込まれてしまい、気がついたら
終わり...というわけ!

ロンドンへ向かう列車が雪崩れ事故の為、乗客はある駅で
足止めを食らう。

ひとつしかないホテルは客を収容できなくておおわらわ!
ここのカットが意外に長く,登場人物のキャラクターが
おおむね分かる。

大富豪の娘らしきアイリスは女友達と独身最後の旅行らしい.
イギリス人の紳士?二人連れはロンドン着を急いでいる模様。
弁護士とその愛人は男のほうが人目を忍んでいる。
音楽家のような若者は一人旅。
老婦人フロイも一人旅で、夜、彼女の窓の下でギターの爪弾く
音色が聞こえてきて思わず口ずさむ。
その男が何者かに殺される。

翌日、列車は運行を再開。
さあー ストーリーの展開!
この列車の中でアイリスはフロイ婦人と食堂車でお茶を
ご一緒するが、戻った席で居眠りをしているあいだに、
婦人が消えてしまうのだ。
彼女は探し回るが、驚いたことに列車内の誰もが示し合わせた
ようにそんな婦人など見たことがないという。

実はその列車にはスパイがいっぱい乗り込んでいて、
ミス.フロイをかどわかし、全身に包帯をぐるぐる巻きにし、
重病人に見せかけて、ある部屋にかくしていたのだ.

とここまで来るのにああだこーだと息をもつかせぬ展開で
まあーよくこんなにどきどきハラハラさせられるものだと。
このとぼけた味のあるば.あ.さ.ん がとても魅力的で
この婦人を見たいために何度も見ているような気がする。

このお婆さん確か≪ガス燈≫に出てたとぼけた味の”ウワオー”の
おばあさんだと思う。

乗客の一人ハルツ博士をリーダーとする敵のスパイたちは
アイリスが見た婦人は”幻覚”であったと思わせ様と画策したのだ。
ミス.フロイは英国側のスパイであったのだ。
アイリスを信じる音楽家の青年が一緒に探してくれる。
ある駅で重病人が包帯をぐるぐる巻きにされ担架で列車に
乗り込んでくる。
どうやらきゃつらはどこかでこの重病人を入れかえるつもりらしい.
しかし若い二人がフロイ婦人を見つけるのが先だった。

がしかしそれもつかの間、気が付くと列車は切り離されて
彼らの乗った車両は本線を外れ、支線に入り、
森の中で待ち伏せていた敵の銃撃を受けることになる。

フロイ婦人は今から列車を降りて歩いて国境を超えるという。
彼女は若い二人に覚えた(ギターのメロデイー)暗号の
メロデイーを教える。
逃亡途中で何かあったら英国大使館に行ってこのメロデイーを
伝えてちょうだいと言い残して....

銃撃戦はなんとか青年が列車を運転して逃れることで
ケリをつけ、無事に列車は本線に戻り、ロンドンに到着。
アイリスは待っている婚約者を無視して、若者と大使館へ....
ああっと...メロデイーを忘れて....
と...部屋からあのメロデイーのピアノの音色が...
ミス.フロイが両手を広げて...♪♪♪

なんとも後味よく、おしゃれで、ユーモアあり、
ドラマの伏線の張り巡らし方といい、、、ルンルン♪

ヒッチコックフアンの間ではヒッチコック作品のベストワン
だともいわれている。

ミス.フロイの実在を証明する小道具の使い方。

一緒に飲んだ紅茶の袋がコックの捨てるゴミから跳ねてきて、
窓ガラスに張りつく..

アイリスに名前を教える時に窓ガラスに指で-FROY-と
書いた記しが残っていたり。
これでもかこれでもかと 尋常ならざる手腕振りである.

あのおばあさんとヒッチコックの茶目っ気が重なって
一級娯楽サスペンス作品となっている。

どうも初期の作品がわたしは好きらしい。

明日は、犯人の癖を扱ったトリック.
浮浪者と共に真犯人を追っかける
大好きな≪第三逃亡者≫を紹介します。




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